時々、「これはうちのチームの仕事ではないですよね」とか「それは私の担当ではありません」と言って、自分で(勝手に)線を引いたところまでの仕事にしか手を出さず、
誰かがしなければならないグレーゾーンの仕事は一切しようとしないメンバーがいます。
会社の規模が大きくなればなるほど多くの部署がつくられ、仕事が細分化されていきます。仕事を専門的・効率的に進められるようになる一方で、仕事全体がどうなっているのか見えにくくなります。そして、細分化すればするほど(誰が担当すべきか不明な)グレーゾーンができ、細分化された1つのピースだけが自分の仕事であると考えるメンバーが出てきます。
忙しい中、”自分の仕事をするだけでも精一杯” という気持ちがわからなくもないのですが、仕事の範囲の線引きは、①仕事の質低下、②本人の成長鈍化、③当事者意識の希薄化 を招き、組織全体に伝染し個人および部署間の壁を高くしてしまいます。
そこで、仕事の線引きを主張するメンバーには次のような話をしています。
「グレーゾーンには価値向上のネタがたくさん落ちているよ。グレーゾーンを自らカバーしにいくと、どんな価値が向上すると思う? 『お客様にとって』、『自分にとって』、『グレーゾーンの向こう側にいる人や部署にとって』、という3つの切り口でどんな価値が向上するのか、一緒に考えてみようか」
そして、逆に、グレーゾーンをカバーしなかった場合どんな影響がでるのかも同時に考えてもらい、それらを(一般論ではなく)目の前にある仕事を題材にできるだけ具体的に整理します。
リーダーである自分が時間をとってメンバーと一緒に考えることを継続していると、自分が忙しいからするしないという自分都合で仕事を捉える発想から、仕事の意味を捉えてどうするのかという発想に少しずつ変わっていくような気がします。
最後まで読んでいただきありがとうございます。このことから、少しでも新たな気づきや考える上でのヒントに繋がることがありましたら幸いです。
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