何かのものごとを議論したり判断したりするとき、自分(達)で気づかないうちに、その思考の矢印が、本来向くべき方向に向いていないことがあります。
例えば、ミスが発生した後に再発防止策を考えるとき、ミスの発生をなくすことに思考の矢印が向くべきところ、再発防止資料の提出先に矢印が向いてしまう。
そうすると、なぜなぜ(発生要因)をこんなにたくさん列挙しました、とか。起こりもしないことまで含め、類似のミスを洩れなく洗い出し、それぞれの対策を考えました、とか。再発防止策の内容ではなく、資料のボリュームを重視し、「こんなに頑張りました」というアピールをする。
・・・それは、その方が、再発防止資料の提出先の受けが良いから。承認されやすいから。
これは、「これだけ反省したら二度と問題を起こさないだろう」という提出先の心理を突き、逆にその心理を利用する。そんな発想からきているような気がします。
こうしたことは、ミスに限らず、意外と多くあります。そして、厄介なのは、自分(達)も相手先も、思考の矢印が違う方向に向いていることになかなか気づけないことです。これは、相手先が上位者になればなるほど起こりやすくなります。その人の受け狙いの資料づくり。・・・誰もが思い当たる節があるのではないでしょうか。
矢印が向いている先がどこなのか、ときどき冷静になってチェックしてみるとよいかもしれません。
最後まで読んでいただきありがとうございます。このことから、少しでも新たな気づきや考える上でのヒントに繋がることがありましたら幸いです。
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