上司と部下の会話で、「これいいね」「やりましょう」と盛り上がったとき、上司から、「じゃあ、期限は2週間後でいいかな? 期待しているよ」というやりとりを見聞きすることがあります。
せっかく話が盛り上がって部下がやる気になっているのに、なぜ、今着手するのではなく、(“2週間後の期限”=)“2週間以内の「いつか」”なのでしょうか?
このとき、上司の心の内(本音)は、「2週間もあれば部下が自分で時間をやりくりして、今担当している業務のアウトプットも新たな試みのアウトプットも出してくれるだろう。本人がやる気になってくれてよかった。うまく導けた」くらいではないでしょうか。
しかし、この言葉には、新たな試みに対する上司の熱意は微塵も感じられませんし、「期限は2週間後でいいかな?」と、部下の胸の内を探った時点で既に「“いいね”と言ってくれたのはその程度の“いいね”か」と見透かされてしまっています。
そして、これはチーム内の他のメンバーにも伝播します。
そうではなく、せっかく話が盛り上がって部下がやる気になったのであれば、「じゃあ、今すぐ着手できる? 他に今日やらなければならないことは何?」と、更に盛り上げる。
部下の回答は2つに1つです。
1つは、「大丈夫です。今すぐとりかかります」
⇒上司はこれ以上何もする必要がありません。
もう1つは、「これとこれをやらなければならないから今すぐは無理です」
⇒この回答の方が好都合です。上司が動いて“これとこれ”を何とかしてしまうことで、部下に上司の本気度を伝えることができるからです。
部下が、こうして今日出してくれるアウトプットと、2週間後に出してくれるアウトプット。不思議なことに、今日出してくれるアウトプットの方が短時間なのに格段にレベルが高いものになります。
最後まで読んでいただきありがとうございます。このことから、少しでも新たな気づきや考える上でのヒントに繋がることがありましたら幸いです。
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